発達障害学生の職場見学会 バークレイズ証券@六本木ヒルズ

お金と働くを知るプログラム
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Kaien/ガクプロの藤です。先日、ガクプロ生16名と一緒にバークレイズ証券を訪問させていただきました。

ご存知のかたも多いと思いますが、バークレイズ証券は300年以上の歴史がある英系の証券会社。そのバークレイズ証券の皆さまには、昨年からCSRの一環として発達障害*のある学生たちの就職支援プログラムであるガクプロを全国に広げていく活動にご支援いただいています。例えばガクプロ特別講座ガクプロ合同面接会のスポンサーになっていただいています。

今回は多くのガクプロ生が苦手な「お金の使い方について考える」講座を実施してくだるということで、バークレイズ証券の日本オフィスのある六本木ヒルズに伺いました。職場見学プログラムはバークレイズ証券の社員の皆さまが通常業務の合間を縫って準備頂いた上、当日も10人以上の方にご参加頂いています。発達障害の学生の理解はやはり一緒に時間を過ごすことで一番理解が深まりますからね。

オフィスを見学させていただけるということで、ガクプロ生たちの「就活スイッチ」が入ることも期待しての訪問でした。結論から言うと、本当に充実した素晴らしい訪問となりました。満足度は今の所、「満点」を付けた人ばかり。以下当日のレポートです。

今回の狙い
  • ガクプロ生 → お金の使い方を知る 金融の職場を見学する
  • バークレイズ証券 → 一緒の時間を過ごす中で発達障害の人の特徴を知り相互の信頼を築く

遅刻なしの奇跡が起きる

待ち合わせ場所は、バークレイズ証券のオフィスがある六本木ヒルズ。当たり前かもしれませんが六本木ヒルズのオフィスエリアに入るのは皆さん初めてとのことで緊張している方も多くいました。

発達障害学生の学生あるあるとしては、「そもそも家を出るのが遅れる」「道に迷って遅刻する」があるのは皆さまご存知の通りかと思います。が、今回は全員遅刻なし、定時集合でした。その背景としては、「(初めての場所が苦手なことを知っているから)かなり早めに到着しておく」「行く場所をGoogle Earthで調べておく」などの入念な準備をする人が多いからだと思います。

六本木ヒルズの前に全員集合したらいざ入館。通常のオフィス入口ではなく、バークレイズ証券専用の入口があるんです。

まるで海外ドラマのセット!超充実のオフィスツアー

集合ののち、セキュリティゲートを抜けるとバークレイズ証券の社員の皆さまにお迎えいただき、いよいよ第一部のオフィスツアーです。証券部門、銀行部門、審査部門など、各セクションの皆さまが実際にどんなお仕事をされているかを拝見しながら、ご説明いただきました。

ガクプロ生も(そして私も)普段なじみがない対法人の金融業務について、シンプルにかつわかりやすく教えていただき勉強になりました。なお、ガクプロ生たちの質問はとても素朴でした(「そんなにたくさんディスプレイを見ないといけないとなると、目が疲れたりしませんか?」など)。

業務されているフロアでの撮影は許されていなかったのですが、窓側に個室が並ぶ英米の企業にあるスタイルと、そのオフィスの綺麗さに、皆感嘆していました。

給与の使い方が具体的に学べる「お金入門」

第2部は、給与の使い方が具体的に学べる「お金入門」です。プログラムも発達障害学生にとってわかりやすい、簡潔かつ具体的なものを作成いただきました。

「もし社会人になって、一人暮らしをしたとしたら?」という設定でレクチャーいただき、社員の皆さまと一緒にお金の使い方についてディスカッションするという内容です。(※英国本社にある「お金の教育プログラム」を発達障害のある学生向けにアレンジしていただいています。)

ガクプロ生たちを見ていると、「欲しいものはつい買ってしまう」タイプと「使わなさすぎる」タイプのいずれかにあてはまることが多いように感じます。それは、やはり発達障害の特性の一つとして、「ちょうどいい頃合いがわからない」があるからでしょう。しかし、今後社会人として働いたときに自分の給与でやり繰りをすることも出てきます。彼らがあまり考えたことのない(あるいは、失敗することが多い)ことについて考えるきっかけとなり、貴重な機会となりました。本当にありがとうございました。

バークレイズ証券の社員の皆さまがメンターとして入ってくださり、ディスカッションも盛り上がりました

参加学生の感想

「他の人がどうやってお金を普段使ってるかお互い共有できたから自分も為になった」

「私は、お金を使う時に目の前のモノやサービスの料金が、自分が持っているお金の何%にあたるのかを意識することが大事だと学びました。理由は、今までお金をどのような配分で使えば良いか、分からなかった部分があるからです。今後は、毎回付けている家計簿アプリで、1ヶ月ごとに振り返りを行います。」

「オフィスツアーでの社員の方の丁寧な説明は、細かい仕事の内容だけではなく、仕事の特性や大変さ、またミスやリスクなどの問題ややりがいまで感じられるような説明で、今後において大変参考になることをたくさん聞くことができたと感じています。」

「アイスブレイク等で一緒のチームだった社員の方に、熱心に趣味の話や金の使い方に関する話を聞いてくれて、とても嬉しかったです。とりわけ趣味の話で色々と質問してくれていて、うまくまとめてくださって、本当にありがとうございました。」

貴重な機会を設けてくださったバークレイズ証券の皆さま、本当にありがとうございました。今後は、逆にガクプロ生がバークレイズ証券の皆さまに、ふだん大学やガクプロでどのように過ごしているかなどをお伝えするイベントができると良いなと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

バークレイズ証券のセミナールームからの景色は絶景でした。こういうオフィスで働ける人は一体どのぐらいいるかなぁと現実も考えてしまいましたが…。
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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます