趣味も仕事もコンピューター 工学博士号を持つTech Geek(テクノロジーおたく)が、挫折を経てたどり着いたヤフーのアプリテスター職「アプリテスター」専門スキル人材の活躍事例 ヤフー

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この記事のPoint

  • 研究職に就いたものの、うまく成果が出せず雇止めが続いていた白川さん
  • 特性を理解してもらえる職場を探し、ヤフー株式会社にアプリテスターとして就職
  • 苦手な点には配慮を受けながら、他チームからも頼られる存在として活躍している

取材:Kaien 編集部


「大学院ではコンピューターサイエンスを専攻していました。世の中のいろいろな物事を繋げることができる、予想もしなかったことが少しの工夫で繋がる、そんなコンピューターの世界が好きなんです。」

目をキラキラさせてそう語る白川さん(仮名)は、ヤフー株式会社でアプリテスターとして働き始めて6年目になるベテランだ。ヤフー株式会社 コーポレートPD本部 業務推進チームには、発達障害のあるアプリテスターが10名以上在籍していて、白川さんはチーム立ち上げ時からいるメンバーの一人である。

白川さんが担当する「テスト業務」とは、スマートフォンやPCなど様々な端末を用いて、ヤフーのアプリやWebサイトの機能が正しく動作するかのテストを行う仕事。変更した部分が正しく反映されていて、変更していない部分はこれまで通りになっているか、すべてのボタンを押したりスクロールしたり等一通りの機能を使用して動作確認を行う。また、メンバー間でのナレッジ共有のためのマニュアルや資料の作成も行っているという。
プログラム作成経験があるので、開発者に近い視点で問題の指摘ができ、細かい所まで気づけることが社内でも評価されているそうだ。

その他、部内の他チームメンバーからの技術的な相談に対応することもある。「チームの所属が人事部門なのでPCに詳しくない人も多く、社内システムがうまく動作しない時などに何とかしてほしいと呼ばれることもあります。先日は社内システムのソースコードに不具合が有る事を見つけて解決したら”神様”なんて言ってもらったこともありました。」と、白川さんははにかむ。

白川さんと上司の名倉さん

優先順位付けが苦手で短期での雇止めを度々経験 長く働きたいと強く思った

発達障害の白川さんが、障害を開示してヤフーで働くに至った背景には、短期での雇止めを度々経験し、就職活動に苦労した過去がある。

「大学院では工学博士を取得し、その後いろいろな研究室で研究職として働きましたが、いずれもなかなか契約更新に至れませんでした。直近では、IT企業でシステムインテグレーションの仕事をしていましたが、そこでも長く働くことはできませんでした。
自分は計画立てや優先順位付けが苦手で、遅くまで働きすぎてしまったり、逆にだれてしまって業務が進まなかったり、二つの業務を同時にやろうとして結局できなかったり…。これまでの仕事でうまく成績を上げることができず、雇止めになることを繰り返していたので、長く働くためには障害について理解してもらえる職場の方が良いと考えたのです。」

「今の職場は月ごと、日ごとのスケジュールを組んでいただいているので、自分も取り組みやすいです。また、長く働くうちに自分の作業量を見積もれるようになり、この仕事なら何時間くらいで完了できるな、というのが見えてきました。テスト業務の性質的にも、見通しが立ちやすいというのもあるかもしれません。」

普段は在宅が多いが、テスト業務用機材の交換が必要な時などは出社する

「白川さんにしかできない課題解決がある」部内からも期待され、頼られる存在に

「白川さんは、とても細かいところまで気づいてくれますし、気になる部分をフィードバックしてくれているので、サービス担当者からも感謝され信頼を得ています。同じテスターメンバーの中においても、後輩の良い手本にもなっています。」
そう語ってくれたのは白川さんの上司である名倉さんだ。

テスト業務以外でも、名倉さんの印象に残っているエピソードがある。
「部内横断のチャットツールに業務相談の場があり、普段から”こんなことに困っています”とお互い相談しあっているのですが、あるときそこに挙がった相談に白川さんが自然と自主的に動いてくれ、私も知らないうちに解決に至っていたということがありました。社内システムがどうしてもうまく操作できないという話だったのですが、白川さんがソースの不具合があることを発見して解決したそうです。普段の白川さんは知らない人とのコミュニケーションを積極的に取る方ではないのですが、全く面識ない人の相談に自主的に対応していたので驚きました。困っている人がいて、自分なら解決できるかもしれない、という何か駆り立てるものがあったのだろうと思います。
技術的知識を持った白川さんにしか解決できない課題が今後もあると思うので、こうした課題解決においても期待しています。」

コーポレートPD本部 業務推進チーム リーダー 名倉様

「社食のごはんもおいしくて」 安心できる環境で自己研鑽を続けたい

コロナウィルスが流行し始めてからは、在宅勤務が中心だという。
「自炊しています。在宅だと運動不足になりやすいので、ちょっと遠くのスーパーまで歩いたりして。プライベートの時間ですか?PCをいじってプログラムを作っています。趣味が仕事みたいなものですね。」と白川さん。

白川さんは入社3年経過時に正社員となっている。 今後の目標を聞いてみた。

「専門知識を高めて、より高度な仕事が出来るようになりたいです。情報系の資格取得も検討しています。いずれ機会があればプログラム作成のような開発業務などにも関われたらと思うので、自己研鑽を続けていきます。」

「安定した仕事に就けて本当に良かった。福利厚生もしっかりしているし、時折出社する機会に行く社員食堂のごはんもおいしくて。」と、白川さんはしみじみと語る。40代にして出会った自分に合う職場で、「興味」と「強み」を活かしながら、いま白川さんは輝いている。

取材協力

ヤフー株式会社

インターネット関連サービスを展開するIT企業。
発達障害の高い集中力や細かいところにも気付くといった特性に着目し、2016年頃より発達障害の方をアプリテスターとして採用するプロジェクトを開始。現在10名以上の社員がアプリテスターとして活躍している。

コーポレートPD本部 業務推進チーム リーダー 名倉政彦様
コーポレートPD本部 業務推進チーム 白川さん(仮名)

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