3つの重ね絵で”大人の発達障害”を説明してみました

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これから大阪府の職員などに向けて大人の発達障害*¹の就職について講演をしてきます。それに合わせて講演資料を作りました。その過程で発達障害を3段階で説明してみました。ここにも共有します。

まず1枚めの絵。ASDとADHDで9割以上を占める発達障害。その特徴と、そもそもよく重なっているよという説明です。色々発達障害の種類を考えるよりもこの絵からスタートしたほうがシンプルでわかりやすいです。

2枚め。ASD・ADHDに重なる形で、他の発達障害(含 知的障害)と理解すると、発達障害の理解が一歩進みます。学習障害*²が限局性学習症という新しい名前(SLD)になっているのが目新しいでしょうか。

そして重要なのが3枚目。発達障害は本来先天的なのに、後天的な生きづらさが二次障害を引き起こしますよ、と言う絵です。1・2・3枚めが重なっているのが実際の、皆さんの目の前にいる、大人の発達障害であるわけです。接する側としてはこの重なりを理解して、症状の原因を紐解いていく必要がありますね。

さらには、同じ特性でも、両極端になるというのが下の絵です。もともと両極端ですが、周辺環境によっても両極に触れます。環境に大きく影響を受けるのはカメレオンみたいです。

詳しくはこちらの記事(大人の発達障害の解説記事)をご覧ください。ご本人が読んでも、周囲の方が読んでも理解しやすいといいのですが…。

なお周囲がどう関わるかは、できれば今夜追記する予定です。講演には間に合いませんでした…。

*1発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

*2学習障害は現在、DSM-5では限局性学習症/Specific Learning Disability、ICD-11では発達性学習症/Developmental Learning Disorderと言われます

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS大学生向けの就活サークル ガクプロ就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA) 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴社長ブログ一覧