家族で考える発達障害の就活 一般枠/障害者枠の違い

~なるほど発達障害 Kaien Meetup~ セミナー開催報告
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こんにちは。就労移行支援事業所Kaienの湊です。

先週末、「一般枠・障害者枠の違い」というタイトルで、Kaien Meetup セミナーを川崎事業所で開催いたしました。前回同じタイトルで7月に開催した時と同じく参加者の8割くらいはご家族。親御さん同士の困りごとや考えをシェアしたいというと意見を頂いたので、今回は後半を座談会のような形にさせていただきました。

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そもそも一般枠/障害者枠での就労の違いは?

まず第一に障害者手帳が必要であるというところからお話をしました。Kaienのウェブサイトでも説明している通り、障害者枠の就活・就労事情、選考方法の違い、特例子会社についてなど、質問も交えながらお話をさせて頂きました。アンケートで一番好評だったのが、個別の事例紹介。似たようなところが思い当たる親御さんも多く、のちの座談会でもご質問をたくさんいただきました。ちょうどハローワークの障害者合同面接会開催2日前だったこともあり、求人票を見ながら情報交換をしていただきました。

言葉が達者で言い負かされてしまう。

座談会にご参加いただいたお母様からは「言葉が達者で言い負かされてしまう」というご相談を数件いただきました。アスペルガーやADHDといった診断の疑いを持っていらっしゃる方がほとんどだったのもありますが、IQも高く親御さんを説得してしまうようです。さらに、特に10代後半から大学生の世代は、親御さんからのアドバイスも素直に受け入れられないことが多く、本人も困っているはずなのに、なかなかサポートしてあげられないという複雑な気持ちをお話をされていました。上手に第三者を巻き込むことや、使える支援機関のお話をしましたが、実際に親子という近すぎる関係が故に難しさも多いあるのだと思います。

どこまで親が口を出していいのか困る。

Meetupでお伝えしたのは2点です。一つ目は適切な支援先とつながっておくことです。それはハローワークや学校のキャリアセンター、地域の支援センターなどはじめ、Kaienも選択肢の一つとなるでしょう。2つ目は就職活動の金銭的な支援です。就職活動には交通費、スーツ代などお金がかかります。交通費がかかることを気にして受けたい企業数を減らす方がいますが、発達障害*のある方は想像することが苦手なので、たくさんの企業を受けて実践の場で面接や場慣れすることが就職への一番の近道です。中には親御様に相談せず、自主的に交通費を切り詰めていてという人もいて、後でご家族が驚くということもあります。ご家庭の経済事情はあると思いますが、きちんとご本人と話し合って、家族で上手に就活ができると良いと思います。

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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます