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「志向」でなく「特性・能力」で適職選び 日本版O-NETスタート

発達障害・グレーゾーンの人たちの就職支援に朗報社長ブログ

久しぶりにコロナウイルス以外の話題です。

本日、待ちに待った「日本版O-NET」がスタートしました。…と言いたいところですが、実は私も待ちに待っていたほど事情通ではなく今日教えてもらいました…

オーネットって??

「オーネット」って結婚相談の?と思われた方も多いと思いますが、Occupational Information Network(職業情報ネットワーク)の略。アメリカで構築されている無料の仕事図鑑です。日本では厚労省が旗振り役になったようで、本日オープンしたてのサイトはこちら → 職業情報提供サイト(日本版O-NET)

サイトのスクリーンショット

ただの仕事図鑑ではなく、その仕事に就いている人の学歴や条件、細かなタスクの種類と量、必要とされる特性・能力などが細かく、時に数値化されてデータベース化されています。

仕事図鑑で変わること

これで何が変化するか?

O-NETを解説したほかの記事を読むと「就社」から「就職」へと解説されています。たしかにこれまで日本の悪弊ともされていた、職種よりも会社で選ぶ伝統が変わるかもしれません。

しかし、私としては「志向」で選ぶ仕事探しから、「特性・能力」、もう少しいうと「機能」で選ぶ仕事探しになる可能性があるということです。

極端な例を出すと…背が高い人だったら、F1がどれほど好きでも、F1レーサー(背が高いと車の開発に制約が出てしまうので背が低いF1レーサーが圧倒的に多い)よりもバスケットボールやバレーボールのほうが可能性が高くなるように…何が好きという「志向」も大事ですが、現実世界では「特性・能力・機能」のほうが必要になることが多いでしょう。

若い人や仕事の経験が乏しい人の場合は、好き嫌いで引っ張られがちですが、最終的に本人が喜ぶのは自分の仕事が評価されることだと思います。その際は今回の日本版O-NETがカギになるかもしれません。

主に使うのは支援者か!?

ただし、物事はそう簡単ではなく…今回のO-NETは、実際に若者自身が使いこなすのは難しいかもしれません。あまりにも情報が膨大ですから…。むしろ活用するのはキャリアコンサルタントなどの支援者の可能性があります。

これまでのキャリアコンサルタントの世界では「内発的動機」という内面が問われがちです。一方で、発達障害の人は抽象的な「動機」を形作るのが苦手で、その方向から支援してもご本人をうまくナビゲートできないことがあります。その点、より具体的な機能・特性・能力で適職探しができる本システムの完成は発達障害・グレーゾーンの人たちの就職支援に朗報です。

もちろん今回の日本版O-NETは発達障害の人だけに開発されたわけではないですが、多くの人の道を明るく照らしてくれることになるでしょう。当社でも支援者がしっかり使いこなせるようにしていきたいと思います。

 

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS大学生向けの就活サークル ガクプロ就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴