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知的・ボーダー層はどうなる COVID-19で変わる障害者雇用の新風景

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Kaienでは、の信号機に似せてCOVID-19(新型コロナウイルス)関係で「Kaienアラート」を出しています。本日時点はまだ「青」です。

想定では何度か黄や赤になるとは思っていましたが、思ったよりも早くきそうで憂鬱になります。当社は今回の危機でリスクの高い社員(年齢の高い社員)も多数抱えているので、ぼやきの一つや二つも出てきます…。昨日今日は3か月ぶりに大阪出張で、このブログはその帰りの新幹線(新型の新幹線らしく、駅に近づくと室内灯が明るくなる。同じ”新型”でもこちらの新型は快適です。)の中で書いているのですが、また大阪に行きづらくなるのでしょうか…。

とはいえ愚痴ってばかりもいられず、自分たちの集中すべきところについてまとめていきましょう。

見えている5つの変化

今私が見える範囲だと、①児童発達支援や放デイに通い続けた「療育第一世代」(2005年の発達障害者支援法の前後に生まれて、そろそろ大学や働く世代になる層。我が子も含まれる)が親も含めてどう社会に溶け込んでいくのかなとか、②通信・サポート校に通う多くなる中で自分のペースで育ってくる子が増える中で当社も始めた生活訓練がグレードアップするには働き手(詰まるところスタッフの採用・育成)をどうしたら良いのかとか、③せっかく進んだ職場の多様性も米国の失業率が一気に10%を超えて日本も雇用環境が悪化する中で逆戻りするかもな(せっかく一般雇用で、かつオープンでという、オープンチャレンジな環境が発達障害・グレーゾーン界隈で整いつつあったのに水を差されるな)、とかがあるのですが…。大きな影響がありそうなのはCOVID-19による障害者雇用への影響です。

大きく分けて二つあって…先ほどの数字を引き継ぐと、④障害者雇用でも一部もしくは完全な在宅勤務が進んでいき、地方での雇用が促進されたり、オフィスに通う回数が限られて勤怠安定する人が増えるだろうなというポジティブな面と、⑤事業所の庶務系業務が少なくなってそれを担っていた知的・ボーダー層(IQでいうと65~85ぐらいをイメージしています)の障害者雇用が縮小していくだろうなという懸念があります。

大手企業のオフィス庶務系から、現場のエッセンシャルワーカー系へ

⑤については、すでに現実のものとなりつつあり、実際4・5月の緊急事態宣言下では、在宅勤務ではなく自宅待機となった人は知的・ボーダー層に多かったですし、新しく出てくるはずだった求人も取りやめになったりしています。知的・ボーダー層は職業訓練にしてもそのほか支援にしても、オンラインではなくオンサイト(事業所での支援)が効果があるので、あと数年は続きそうなコロナ禍では影響が悪い意味で大きそうな気がします。

とはいえ、はいそうですか、と受け入れるわけにはいかないですよねぇ。知的・ボーダー層は、実は発達障害の支援をしていると一番多い層だともいえるからです。実際、この緊急事態宣言のもとで、いわゆるエッセンシャルワーカー(決まった時間に職場に行かなければできない仕事。例えばスーパー店員や宅配スタッフなど)は重要性が増していて、そういった働きをする知的・ボーダー層の障害者枠は今後伸びていくかもしれません。

もちろんこれまでのクーラーの入った大きなビルで大企業の障害者枠でという落ち着いた環境ではないのですが…それでもそうした求人が少なくなるならば次の雇用の形態を探していかないといけないと思っていますし、以前から仕込みつつあるものもあるので、今後、志のある企業様と一緒に社会に問うていきたいと思います。

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS大学生向けの就活サークル ガクプロ就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴