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自分が発達障害だと気が付いていない人への対応方法

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Kaien鈴木です。今日講演依頼が来ました。(→鈴木への依頼はこちらまで)有難うございます。

依頼のテーマは「自分が発達障害であると気が付いていない学生への対応方法」。ある学校法人からです。

講演で最頻出の質問が「気づいていない人/学生にどう伝えれば良い?」

もちろん小さいときから親がはじめに気づき、医療や福祉に早めに繋がっているケースは、中・高・大、そして職場の担当者からは課題感は少なめです。家族も本人も自己理解が進んで発達障害を一つの個性として受け止めている場合が多いからです。

しかし親が動いてくれていない、あるいは気づけないケースで、この質問は本当に多いわけです。周囲がどんどん大人として複雑なコミュニケーションを取るようになり、勉強も難しくなって負担が増える思春期のころを任される中・高・大の教職員は特に悩まれています。私が講演で、もしかしたら、最もよく聞かれる質問かもしれません。

が、今日この依頼を頂いて「そういえばきちんと調査していないな」と思いました。これまでKaienやTEENSで大人こどもあわせて数千人は支援をしていますので、元々気づいていない人/学生が、どういう経緯で気づくようになったか、誰からどういう伝え方がショックがないか、いくらでも分析できるはずなのですが…。サボっていたわけではないですが、今後はやめに分析して皆さんに報告したいと思います。

調査はしていないけれども、面談でたくさん聞いている印象としては…

もちろん、数字ではきちんと出せないのですが、印象レベルでは答えがあります。

まずこれは調査中ですが、ご本人が発達障害かもな、と気づいてから実際に相談期間につながるまでは、多くの方は数年、長い方だと10年ぐらいかかります。つまりそれっぽいことがあり、それっぽことを言われ、徐々にご自身の中で気づきが生まれていき、それが閾値を超えた時に、気づく、相談する、ということになるわけです。

閾値を超えるのは、学校にいけなくなったとき、単位が取れなかった時、周囲の学生や人たちとトラブルになった時、就活で何社受けても難しかった時、などです。つまり何らかの明確な失敗体験があって、受け入れていくということになります。

細かな愛のあるジャブを 複数の人から

ですので、「どのように気づかせればよいか?」というのは、語弊を恐れずに言うと、ジャブを打ち続けるしか無い、ということになると思います。細かな気づきを手間をかけ、本人の自尊心を落とさないように得意なところや上手くいっていることも織り交ぜながら、徐々に本人が意識できるように伝えていく、ということです。またできれば複数の視点から伝えたほうが良いので何人からか伝えられると良いとは思います。

その時、「発達障害」という言葉も使わなくて良いと思います。「頑張ってもミスをしてしまう」とか「注意の切り替えが難しい」とか「他人の心に気づくのがゆっくりだね」とか、そういう特徴でも良いでしょう。

発達障害に気づかせるではなく、自分の特徴に気づいてもらう

実際、発達障害は白黒ではなく、スペクトラム。全員がグレーゾーンとも言えます。発達障害という言葉を押し付けるのではなく、ご自身の自分からは分かりづらい、でも知っておくと生きやすい特徴と対策を伝えるのだという思いが周囲に必要でしょう。つまり本人が受け取れるように、本人の人生を良くするという愛を持つことが重要です。

ご家族の協力が得られたり、ご本人をすぐに医療機関につないだほうが良いというような緊急ケースだったり、の場合は時間を掛ける必要がない、あるいはかけるべきではないこともあると思います。しかし人間気づきには数年または10年かかることもあり、その場で気づかせるというような拙速な対応は禁物でしょう。

私達としては、思春期に見守ってくれていた方が気づきを少しずつ与えられていたから、Kaienにつながってくれているのだと思っています。ぜひ焦らず接していただければと思います。

 

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS大学生向けの就活サークル ガクプロ就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴</