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中高年の障害者雇用 新規雇用と雇用継続

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Kaien社長の鈴木です。

昨日、障害者雇用ではしばしば好事例としてあがる、ある都内の会社を訪問しました。訪問前は技術革新によって仕事がなくなってきているのかと思いましたが、違いました。むしろAIやロボットなどの技術革新は進んでいるが、現場では事務や軽作業など仕事はたくさんあって、任せたいことはまだまだたくさんあるということでした。

ご相談いただいたのは、中高年の雇用継続。具体的には20年以上障害者雇用で働いている人の雇用継続についてでした。十年単位での就業の中で、業務・作業への熟練度も上がったり、社風に馴染んだりもあるそうです。その点はプラスですね。一方で、障害の程度が重くなったり、IQが徐々に下がっていくような印象を受けたり、同居家族のバックアップも受けづらくなってきたり…。いずれにせよ、どのように戦力として雇い続けられるのか?というご相談でした。

雇用継続については既に助成金もある

実はすでに雇用継続に関しては助成金があります。障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)しかし、違う言い方をすると、助成金を出して、企業や福祉事業所に行動を促すぐらい、難しい課題であるということも出来ます。

今回訪問して感じたのは、障害者雇用の優良企業ほど、中高年の障害者についての雇用継続に頭を悩ませることが多くなりそうだということです。今、中高年の雇用継続の問題に頭を悩ませ始めているのは、20年保度前に身体障害や知的障害を雇い始めた企業。そのころ精神の方を雇用することはほとんど無かったはずです。(雇用率に換算されるようになったのは、こちら の記事にある通り2006年のことです。)

おそらく5年・10年後には、今積極的に障害者雇用をしているところも、中高年の問題に直面すると思われます。身体や知的の採用は20代が多いのですが、精神・発達の採用では30代や40代での採用も多い。つまり中高年の問題というのは案外早めに向き合うことになりそうなのです。

「発達障害の人は年齢が高くなっても雇い続けられますね!」そう言ってもらえるようなご本人の自己理解や、企業での活用法が求められそうです。

そもそも新規雇用が課題

もちろんこの記事を読んだ方は、そもそも雇用継続の前に、中高年の新規雇用はどうなんだ!と感じられた方が多いと思います。今、新宿区役所の障害福祉課に別件で伺ってきましたが、精神・発達の中高年をどのように支援して、より良い人生をおくってもらうか、が大きな話題になりました。特に私も属する「氷河期世代」は、仕事で大きな挫折や苦しみを感じている人たちが多く、上手に働けた経験が乏しい人たちです。その人達が希望を感じながらこれからの40・50・60代を送るのは、簡単な処方箋があるわけでは有りません。働くというのはお金も自己肯定感、周囲との関係性も高まりやすい良薬だと思いますので、Kaienとして逃げずにこの問題に取り組み続けたいと思います。

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS大学生向けの就活サークル ガクプロ就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴