働く本人と企業の「仲介者」~就労後の職場訪問支援~

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Kaien秋葉原スタッフの鈴木です。

当社職業訓練は「障害者総合支援法」に基づく「障害福祉サービス」のうちの1つ、「就労移行支援」のサービスとして提供しています。就労移行支援の事業者は年に1回都道府県に修了生の就労定着者数を報告しています。先日報告のための集計を行ったのですが、計112名の方が修了時に就職された企業で就労を継続されていました。また当社は就労移行支援事業では平成24年10月にKaien秋葉原を最初の拠点として開設しましたが、修了生のうち10名の方が2年を超えて就労されていました。修了生の懐かしいお名前の数々を拝見しながら、それぞれの方が元気に働いていらっしゃる姿を想像しとても嬉しく思いました。

昨年度までは都道府県には6ヶ月以上就労されている方のみ報告していたのですが、平成27年度からは12ヶ月以上就労されている方・24ヶ月以上就労されている方についても報告することになりました。この定着者数の割合によって就労移行支援事業所に支払われる報酬額も増減します。国としては、事業所に利用者が就業後長く働いていただけるようなサービスを提供してほしいということだと思います。もちろん当社もそのため職業訓練に加えて定着支援にも力を入れています。

当社Webサイトのプログラムのページでも当社でどのような定着支援を行っているかご説明していますが、今回は障害者枠の職場訪問で企業の方やご本人とどのようなお話をしているか例を挙げてご紹介します。

【ご本人のお話から】

  • いくつか作業を行う必要があるが、どれから行えばよいか優先順位がつけられないことがある。=>優先順位がわからない時は◯◯さんに質問して下さい。◯◯さんが不在の時は△△さんや周囲の方に聞いてください。またこの方法で作業の締切を管理して下さい。
  • 会社からは「よくやっている」と言ってもらえているが不安。実際のところどう思っているか知りたい。=>実際にもちゃんと評価を頂いているので、引き続きこの調子で取り組んで下さい。
  • 担当していた業務を外された。契約を切られてしまうかもしれない。=>予定していた業務が終わったので別の業務をアサインしただけとのこと。契約更新は行う予定とのことなので安心して下さい。
【企業の方のお話から】
  • 来月から業務の幅を広げていただきたく別の業務をアサインしたいと思っているが、ご本人にとって負担にはならないか。=>現在の業務は余裕を持って完了できるとのこと、新しい業務を担当させて頂けるのであれば是非挑戦したいとご本人も意欲的なので是非お願いします。
  • メモを取っていても不安なのか質問が多い。理解できているか確認したい。=>メモを取っても日が経つと何のことを書いたかわからなくなることがあるとのこと。メモを取ったら直後に読み返して後でわからなくなりそうなところには追記をするようにお伝えしました。
  • 飲み会にも誘ってみたいが大丈夫か。=>人と関わることが好きな方ですし、お誘いがあれば参加したいとおっしゃっていましたので、是非検討ください。

このように、ご本人から上司には聞きづらいことがあった時にどうすればよいかご相談いただいたり、企業の方がご本人の特性をよく知っている当社スタッフにご本人がどう受け止めているかなどご相談いただいたりしています。必要のないことで思い悩むことのないようにしたり、また必要だけれども伝わっていなかったことを改めてお伝えしなおしたりと、ご本人と企業とのコミュニケーションの仲立ちをすることで、より働きやすい・働いてもらいやすい環境にしていくお手伝いをしています。(ちなみに就労スタッフのことを当社では「ブリッジコンサルタント」と呼んでいます。ご本人と企業・社会との橋渡しをする人、という意味が込められています。)

Kaienの職業訓練やガクプロ出身者で、楽しく働き続けている方々の輪が徐々に広がりつつあります。今後もさらにどんどんと広げていければと思っています。