【横浜・川崎特集】①発達障害がある方の就職事情 神奈川県編

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就労移行支援事業所、Kaien横浜スタッフの大野です。

当社では神奈川県内では横浜に続き2か所目、東京都内と合わせると6か所目の就労移行支援事業所「Kaien川崎」が2015年12月1日オープン予定です。今日からシリーズで、神奈川県内の就職事情や知っておきたい地域の医療・地域支援などをお伝えしていきたいと思います。

今回はシリーズの第1弾として「神奈川県内の就職事情」 ~発達障害*者編~ 」と銘打ち、神奈川県内にお住いのASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群)やADD・ADHD等の発達障害がある方に役立つ就職活動事情をお伝えします。

①求人件数が多い東京都内を取るか、通勤面の負担の少ない横浜・川崎を取るか

現在、雇用状況は景気回復の恩恵を受けてか、求人数は引き続き増加傾向です。Kaien横浜事業所の訓練生も現在就職ラッシュです。2015年9月の一カ月に定員20名のうち3割にあたる6名もの訓練生が内定を勝ち取り、訓練を修了しました。

ですが、実は勤務地の内訳をみると半数は東京都内での勤務となっています。発達障害の方は感覚過敏の影響で「通勤ラッシュを避けたい」という希望を持っている方もいますので、意外な結果ではありますが、背景には求人ボリュームの地域的な偏りがあります。

求職者数一人当たりの求人件数を示している有効求人倍率を都道府県別見ると2015年8月の実績は神奈川県が0.94ポイントに対し、東京都は1.82ポイントでした。つまり東京は人が足りず、神奈川は人が余っているという状況です。

やはり東京都内まで求職活動の範囲を広げると、業務内容や待遇・働きたい業種など、希望に近い仕事を見つけやすくなる分、通勤面のある程度の負担は我慢、、、という感じなのでしょう。

②神奈川県は発達障害者雇用の先進地域

ただし、神奈川県は全国的に見ても(残念ながら)そう多くはない「発達障害者を積極採用」している企業がいくつもある、「発達障害者雇用の先進地域」の側面もあります。一例をあげると、発達障害者の雇用事例のパイオニアとして全国的に有名な富士ソフト企画社は、横浜市をメイン拠点(本社は鎌倉市)としています。

Kaienが創業期からパートナー企業としてお世話になっている発達障害者雇用の先進企業、サザビーリーグHR社グリービジネスオペレーションズ社も横浜をメインの拠点としています。いずれの企業でも、軽作業から専門業務まで幅広い仕事内容が用意されていて、多くのKaienの就労移行支援OB・OGが、それぞれの発達の凸凹の長所となる部分を活かした業務で活躍中です。

グリービジネスオペレーションズ社(桜木町)から風景
Kaienから就職した人数は既に30名を越えています

③新横浜は日本版シリコンバレー(?)

新横浜駅周辺はIT企業が集中しているのだそうで、港北エリアにはSEやプログラマーなどの技術系職種の求人が多いんだよ、と以前ハローワーク職員の方に教えて頂きました。

Kaienの就労移行支援の訓練プログラムにもWebプログラミングやソフトウェアテストなどのIT系業務が複数あるのですが、過去には訓練を通して業務適正があることを発見し、未経験からIT技術者として就職された方がいました。

Kaienでは幅広い訓練プログラムを実際に体験し、
自分の強みが発揮される業務内容を見つけます

もちろん、軽作業や事務補助の求人も神奈川県にはたくさんあります。ただし専門的な業務が多いというのは可能性の幅を広げられる地域だと考えられます。

Kaienでは川崎事業所開設に伴い、神奈川県で就職したいご利用者もさらに増えると思うので、長期的な就労を応援する意味でも出来るだけ通勤の負担を減らすべく、今後も地元に密着した横浜・川崎の求人の開拓に引き続き力を入れていこうと思っています。

就労移行支援事業所 Kaien横浜・川崎の利用希望は こちら からどうぞ

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます