【こんなときKaien⑥】「障害者」に見えないからうまくいかない

HOMEスタッフブログ【こんなときKaien⑥】「障害者」に見えないからうまくいかない

こんにちは。就労移行支援事業所Kaien池袋の湊です。

個別相談や訓練の中で、よく聞く悩みが「障害者」に見えないから理解されないというものです。周りからわかってもらえないという状況は、かなりつらいものですよね。言葉のキャッチボールがしっかりできるが、ADHDやアスペルガーの診断を受ける方の中にも、ご本人たちの困り感は見かけにはわかりにくいです。今回は、スタッフとして日々働いている中でそういった方のご相談について書きたいと思います。

普段、このような小部屋でご相談を受けています

【面接で障害による困難さが伝わりにくい。】
もうすぐKaien合同面接会ハローワーク合同面接会が開催されることもあり、多くの訓練生が就職活動モードに入っています。面接練習や想定問答集の添削をしていて、訓練生から、面接官に「君、本当に障害があるの?」と聞かれてしまうこともあり回答に困るし、就職した後に理解してもらえるのか不安と相談を受けることがあります。障害者枠で働くのであれば、どうせ理解してもらえないとあきらめずに、まず理解いただけるようにお伝えすることが大切です。先日まで私が担当していた方には、「見かけにはわかりにくいとよく言われるのですが、」と一言添えて、面接で伝えるようにしましょうと、お伝えして就職活動をしていました。見た目にわかりずらい配慮事項が理解されずに採用に至らなかったケースもありましたが、無事に就職し、「今は声をかけてもらったり、相談しながら仕事ができているので、安心して働けています」と定着訪問の際に言っていただきました。

【能力以上のことを期待されすぎてしまう。】
発達障害を抱える方の中には、自分の持っている自分の姿と、周囲が抱いている自分の姿のギャップに苦しんでいるという相談を受けます。自分ではそこまで「できる」わけではないのに、学歴や見た目の雰囲気から「できる」と思われてしまって、職場で仕事を任されるが、結局失敗を繰り返して信頼を失ってしまうことが多くて辛いですとお話しいただくこともあります。そのようなご相談を頂くとき、私は自分の限界値を知ること、上司や先輩に常に相談をする癖をつけると、少しはその負担が減るのではないかとお話しします。最近訓練を開始された方ですが、抱え込みすぎていないか、負担が増えていないかを、毎日5段階で評価をしてもらい、キャリアカウンセリングの時にフィードバックしています。抱え込んでしまったことで調子を崩してしまった経験をお持ちの方でしたが、数字が上がった時に相談をしていくことで、上司や周囲の人にその人の実力を知ってもらうことが出来ます。このように自分と周囲のギャップを埋めるために、就職後を想定して、期待されすぎてしまって抱え込んでしまう状況を作らないように、職場での環境を自分で作ることが大切なのだと思います。

【家族から理解してもらえない。】
職場環境でうまくいかなかったり、友人関係をこじらせてしまったりと、失敗体験を繰り返し続け、辛いをされてきた訓練生も多くいらっしゃいます。診断名をもらい、手帳をとって就職しようと訓練を頑張って受けているのに、一番近くにいる家族に理解してもらえないのはとても辛いですよね。発達障害という言葉も少しずつ理解も広がっていますが、まだまだ社会に浸透しているとは言えない状況ではあるようです。認めてもらいたい気持ちもあるとは思いますが、急には難しいことも多いと思います。私の担当していた訓練生の中には、訓練の中で相談支援というサービスを並行して使ってもらいながら、就職活動と訓練と家族などの状況を整理し、切り替える練習をしながら就職活動を進めていました。就職が決まったことで、完全に家族に理解をしてもらえたかというとそうではないようですが、少しは辛い気持ちの負担が減ったようです。また、家族だけでなく、地域にも相談を受けてくれる支援センターなどがあるので、そういったところにサポートをしてもらうのも一つの手段かもしれません。

Kaienは就職し、安定して職場に定着するためのお手伝いをしていますが、働くためのスキルはパソコンなどの能力だけではありません。私たちKaienのスタッフは、日々、一人一人の経験・状況をうかがいながら、どうしたら職場で安定的に働いていけるかを一緒に考えていきます。

《関連リンク》
利用説明会へのお申込みは こちら
利用者インタビューやアンケート結果は こちら