【こんなときKaien⑦】職場での議論や言い合い、どう対応する?

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Kaien新宿スタッフの東海林です。

突然ですが皆さんは、仕事上での他者とのぶつかり合いや議論を良しとしますか。それとも、なるべく事を荒立てないように他者の顔色を窺うタイプでしょうか。私はこれまで数十年の人生は、「事を荒立てないように」「誰からも嫌われないように」生きてきたのですが、Kaienの採用面接で面接官をしていた社員にそのことを言い当てられ、ドキっとしました。言い合ったり指摘し合うことも、その内容が”良質”であれば会社のサービスをより良くしていくものだということを、Kaienで働き始めてから実感しています。ただ、”良質”な指摘を適切なタイミングで行うことはなかなか難しい・・・。発達障害の有無にかかわらず、不適切なタイミングで余計なことを言ってしまって人間関係がうまく行かなくなる、ということはよくあることだと思います。

Kaienの職業訓練でも4~6名のグループを組んで業務を進めたり、10人近いチームの中で役割分担して業務にあたることがありますので、ぶつかり合いが生じることもあります。意見が合わずに激しい議論になることもあります。今回は「こんなときKaien」シリーズとして、ぶつかり合いがあったときにKaienの訓練でどのようなアドバイスをさせていただいているかをお伝えします。

パターン① 「間違っている」と感じることがどうしても受け入れられない
社会に出ると物事に白黒はっきりできることは少なく、グレーゾーンが非常に多く存在します。Kaienにいらっしゃる方の中には、自分が「間違っている」と思ったことに対しては、たとえ上司や先輩からの指示であっても受け入れられず、言い返してしまったり、自己流でやってしまったりして、結果として「指示通りに仕事をしていない」と受け取られてしまう方もいらっしゃいます。良質な議論自体は悪いことではありませんが、上記のような失敗の多い方には、意見・感想は求められるまで言わないことをおすすめしています。訓練の中でも、今は納得いかなくても上司の言うことに従うべき、ということをその時の状況に合わせてお伝えしています。また、訓練の中には「職場のお悩み相談所」という、利用者のギモンについて皆で考えるセッションがあるのですが、その際もこうしたグレーゾーンの物事にどう対応すべきか、という相談について利用者・スタッフ・講師全員で考えていきます。

パターン② 論破するまで詰め寄ってしまう
お話しの上手な方は、自分の意見をきちんと伝えたい、ちゃんと理解してほしいという気持ちが強いあまりに、説明することに必死になって相手の話す余地もないくらいに話し続けたり、矢継ぎ早に質問してしまうことがあるようです。そうすると相手が委縮してしまったり、相手を怒らせてしまうなど、目的と違うところでマイナスの影響を及ぼしかねません。相手が完全に納得していなくても、ある程度のところで切り上げるということも必要です。Kaienの訓練では、なかなか意見が合わない場合は議論を切り上げて上司に判断を仰ぐということを実践の中で練習していただいています。

Kaien職業訓練の「上司」は訓練生が自分から相談に来るのを待っています!

パターン③ 周囲で言い合いがあると自分が責められているように感じる
他者が怒られていると自分が怒られているように感じたり、他者同士の言い合いを聞いていて怖いと感じる方もいらっしゃると思います。このように感じやすい方には、訓練の中では実践(模擬職場)と振り返り(スタッフとの面談)の中で、「自分は自分、他者は他者」と切り離して考えることができるように練習していただきます。また、就職の際に静かなオフィス環境のある企業を探すということも一つの対策です。

さいごに 暴力や暴言・大声は絶対にダメ
議論が白熱すると声が大きくなってしまったり、カッとなってしまうこともあると思いますが、手を挙げたり掴みかかったり、大声で怒鳴ることは絶対にダメ、とお伝えしています。こうしたことをしてしまうと、いくら自分の意見が正しかったとしても、社会人としてのマナーが守れないと見なされてしまい、職場での居場所がなくなってしまいます。いかなる理由があっても絶対にダメ、というのはKaienの訓練を続けていただくためのルールでもあります。

先日も訓練の中でちょっぴり激しい議論があり、上司に相談に行っていましたが、それぞれ気づきがあったようでした。なかなか頭で理解しても、いざ白熱したときにうまく対処できるかは難しいと思いますが、そこは是非Kaienの職業訓練という場で、失敗しても良いので練習を重ねていただければと思っています。