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発達障害的 ミス・抜け漏れ対策発達障害の人によくある職場でのミスと抜け漏れ 5つのタイプ別に考えます

「ミス・抜け漏れがなかなか減らない。」「仕事でも私生活でも支障が出る。」 不注意や抜け漏れはADHDなど発達障害の傾向がある人にとって生き辛さの根源かもしれません。なぜミスをしてしまうのか?抜け漏れはどうしたら防げるのか?この記事は発達障害の特性も踏まえたアドバイスです。

目次

睡眠は十分にとれていますか?

IQは10前後低下も!睡眠はミス・抜け漏れ予防の第一歩

そもそも発達障害の人は、双極性障害や睡眠障害を併せ持つ方も多く、ぐっすり眠れないことにお悩みがあるかもしれません。また感覚過敏も有る方も実際に多いです。この場合は小さな物音や明かりなどによって、寝付きにくい、あるいは中途覚醒してしまうということがあるでしょう。 睡眠に困難があるとIQは5~8落ちると言われています。徹夜にいたってはIQ15(標準偏差1)も落ちると言われています。抜け漏れやミスを減らす工夫の第一歩は十分な睡眠を取ることにほかなりません。【参考】「寝不足はIQ低下を招く」専門家が警告

ぐっすり寝るために 発達障害傾向のある人が気をつけたいこと

食事、運動、明かり(などの刺激)の3つを気をつけましょう。まず食事は早めに済ませましょう。横になる3時間前には食事を済ませておくことが理想です。食べ物をよく噛むことも消化を良くし、体を休めやすくなります。消化中だと内臓が動いた状態です。睡眠の長さだけでなく質にも関わります。コーヒーなどに含まれるカフェインは14時ぐらいまでにし、アルコールも睡眠の質を下げることがあります。

運動も重要です。激しい運動でなくても程よい疲れを感じることが良いでしょう。ただし寝る直前には行わないこと。逆効果になります。最後に明かりです。お風呂も暗くして入ったほうが良いという人がいるほど、人工の明かりを夜はできるだけ避けましょう。感覚過敏の人は自宅で夜に寝る時もアイマスクをしてもよいかもしれません。

アイマスクを普段から着用することも

それでも寝られない場合。睡眠導入剤などを検討される方もいるでしょう。お薬は医師に相談の上、服用してください。重要なのは自分で服薬量を調整しないことです。信頼できる医師を見つけ、納得のいく説明を受けた上でお薬に頼りましょう。

なお、睡眠に悩む発達障害の方が関連する可能性のあるその他の症状は、起立性調節障害概日リズム睡眠障害睡眠時無呼吸症候群などがあります。睡眠関連に特化した睡眠外来を備えた病院や専門クリニックを受診するのも選択肢に入れましょう。【参考】厚労省 睡眠障害とはリンク

ただし医療に頼る前に昼寝をご検討ください。発達障害の方は日中の緊張感が高く、夜寝ていても午前だけで疲れが溜まっている方も多いでしょう。15分程度が良いと言われています。喫茶店などで休んだり、寛容な職場ならば昼寝グッズを用意できると良いでしょう。

5つのタイプで分析 あなたが当てはまるミス・抜け漏れのタイプは?

次にミス・抜け漏れが起こりやすい状況を振り返りましょう。発達障害の傾向が強い方がよくあるミス・抜け漏れの主なものを挙げてみました。

  1. 業務や締切を複数抱えている一人複数役状態
  2. 同時にいくつものことが発生するマルチタスク状態
  3. 数字や文字などの苦手がミスに出やすい状態(仕事の覚えが悪い)
  4. 計画立て・予定変更が苦手で混乱している状態
  5. 会話の齟齬ですべきタスクを勘違いしている状態
タイプ① 一人複数役
  • 状態: 今の職場はたくさんの業務を抱えることが多いでしょう。中小零細企業の職場では経理と総務、法務をこなしていたり、営業も物サービスを売るだけではなく資料を整えたりお金の計算をしたりと、一人で二役三役と任せられるとミスが起こりやすくなります。また同じような業務でも締切が複数あると混乱しやすく抜け漏れが発生しやすくなるでしょう。
  • 原因: 発達障害の特徴の中で、ワーキングメモリー(短期記憶)の弱さが挙げられるでしょう。また業務の処理速度の遅さによって、仕事が終わらないということもありそうです。ADHDの診断を受けた人が当てはまりやすいタイプです。
  • 自分の工夫: 自分の脳内では蓄えられなかったり、スピードが遅かったり、ということへの対応になります。考え方としては「タスク管理を外付けする」ことが良いでしょう。Gmailのタスク機能リンク を活用したり、スマートフォンのタスク管理アプリを使ったり、自分が使いやすいものや職場で許されているものを活用しましょう。「タスク管理」でネット検索をしてみることをお勧めします。
  • 周囲・環境: 障害者雇用で働いている場合は、複数の業務から出来る限り少ない業務状態に絞ってもらいましょう。その際はワーキングメモリーや処理速度を理由に配慮を申し出ると良いでしょう。一般雇用の場合は、自分のパフォーマンスを最大化するためには職責を狭めてもらうほうが会社のためにもなることを上司や人事に伝えてみましょう。

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タイプ② マルチタスク状態
  • 状態: 「メールにすぐに答えないといけない」「電話がかかってきた」「上司から頼まれている仕事の締切が迫っている」。様々な仕事が一気に降り掛かった時に、パニック状態に陥ってしまう人は多いでしょう。頭が真っ白になる静かなパニックもあれば、声を上げてしまったり泣いてしまったりの周囲から心配されるパニックもあるでしょう。
  • 原因: タイプ①と似ていてワーキングメモリー(短期記憶)の弱さが挙げられるでしょう。加えて、業務の優先順位がつけづらい知覚統合の影響もあるかもしれません。ADHDの人だけでなく、自閉症スペクトラムやアスペルガー症候群などのASDタイプの人も当てはまりやすいタイプです。
  • 自分の工夫: ワーキングメモリーが弱いということは聴覚から聞いた情報は弱いものの、視覚情報で確認すると落ち着く可能性があります。タスクを書き出したり、表にしたりすることで、ぐちゃぐちゃになった思考がスッキリする事が多いでしょう。また優先順位付けの訓練を日頃からすることもポイントです。優先順位は、締切などの時間が絡む「緊急度」と、安全・個人情報・売上利益・顧客取引先などのキーワードが絡む「重要度」の二つの軸で成り立ちます。就労移行支援事業所などで職業訓練やビジネススキル講座を受けることができれば◎です。
  • 周囲・環境: 混乱した時ほど、周囲に助けを求めることを優先しましょう。声が出づらい人の場合はヘルプカードといって、混乱した状況をカードで周囲に示すことで対策を立てる人もいます。人によって瞬時にさばける業務量は差があります。自分がパニックになりやすいことを事前に周囲につい耐えられることが最善でしょう。転職・異動で自分にあった職場を探すのも検討に入れて良いかもしれません。
タイプ③ 数字や文字などの苦手さ
  • 状態: 「マニュアルを読んでも業務がイメージできない」「割合や比率、複雑な単位が出てくると混乱する」。学習障害系の人に多い症状です。対人関係の業務・調整が上手な場合も多く「どうしてその仕事だけ出来ないの?」と疑問を持たれてしまうでしょう。
  • 原因: 学習障害(LD)タイプの方が当てはまりやすい状態です。ASDやADHDの傾向もうっすらあることが一般的です。学習障害という名前からも分かる通り、勉強でも凸凹が激しかったと思われます。勉強ですとどの教科のどの範囲が苦手か予想がしやすかったと思いますが、仕事では読字や数字が出てくる場面が予想しにくいことも問題を大きくしがちです。
  • 自分の工夫: 書字障害や読字障害、算数障害などの学習障害については、それまでの人生で悩み対策を立ててきたことでしょう。PCやタブレットなど代替用品が使いやすい現在の職場は学校よりも過ごしやすいかもしれません。IT企業も様々に困難を抱える方への対応法を解説しています。例はマイクロソフト社です。 【参考】マイクロソフト社 アクセスビリティホーム 困難別ガイドリンク
  • 周囲・環境: ご自身の工夫を職場の多くの人から認めてもらえる環境を整えることが重要になるでしょう。お気に入りのアプリやIT製品・治具があっても、個人情報や秘匿情報の為に使用が認められない場合もあります。100%満足できる手段ではなくても、代替の手段を取れるように粘り強く周囲に働きかけていきましょう。

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タイプ④ 計画立て・予定変更の苦手さ
  • 状態: 「この仕事はどのぐらい時間がかかるのだろうか?」「急にお客様のニーズが変わったけれども今後、業務計画はどう変更すべきなのか?」というように、未来の業務遂行に対する想像が立てづらい状態です。1日単位ではわかっても1週間単位、1ヶ月単位で、大きな流れが見えにくい方が多いでしょう。
  • 原因: アスペルガー症候群の特徴は3つ組の障害とも言われていました。社会性・コミュニケーションと想像力です。計画立て・予定変更が苦手な方の場合は、3つの障害のうち想像力が弱い可能性が高いでしょう。人の気持ちが想像しにくい、集団心理が分かりづらい、業務の進み具合が予想しづらい、そしてそれらが数週間、数ヶ月の予測になるとさっぱりわからなくなるなどです。
  • 自分の工夫: 想像が苦手な方は自分の感覚が信じづらくなってくるでしょう。でも安心してください。想像が完ぺきにできている人は誰もいません。では他の人達はどのように計画や予定を立てているのか?それは他の人とコミュニケーションを取りながら、想像を補正しているのです。わからないこととわかっていることを早めに仕分けること、仕分けたものを上司や同僚に聞いてズレを補正すること、業務をし始めた後も数時間後など早い段階で大きな方向性が間違っていないか聞くことなど、早め早めの相談が重要です。
  • 周囲・環境: 変化が激しくない職場環境を探すことが重要になります。業務に応じては単調に感じることもあるかもしれません。しかし人の気持ちやお客様の状況によって予定や業務が頻繁に変わるとストレスになるでしょう。淡々としながらも奥が深い「知的単純作業」が与えられる職場を探していきましょう。
タイプ⑤ タスクを勘違い
  • 状態: 「なんで言ったことと違うことをしているの?」「そっちじゃなくて、こっちだよ」。職場で勘違い・思い違いで責められた経験がある方も多いのではないでしょうか。正しいと思い、みんなのためになると考えて、業務を進めたのに、と自分自身もがっかりしやすい特徴とも言えます。
  • 原因: 様々な原因が考えられますが、知覚統合という点にまず注目しましょう。いくつかの情報から一つの意味を見出すことです。例えば、お客様がお店の入り口に立っている、傘から水が垂れている、子どもがお店の中を駆け回っている、という3つの情報から、もしかしたら水で子どもが滑るかもしれないから前もって公道仕様などと一つの意味、この場合だと傘立てに立ててもらうや、水を拭き取る、あるいは子どもを落ち着かせるなどの行動につなげるということになります。この情報の統合が出来ないと、周囲からは不可思議な行動をとってしまうことになってしまいます。あるいはワーキングメモリーが弱く、複数の指示や情報のキャッチが出来ていないこともあるでしょう。
  • 自分の工夫: まずは「多くの情報を把握するのが苦手で、偏った情報から判断しがち」という自己覚知(自分のことを理解する)ことから始めましょう。また即時に対応しないといけない場合を除いては、自分の行動を周囲に告げてから業務を始めるのも一つの手です。「業務Aを行います」ということを事前に伝えておけば、上司としても了解した責任が生じますので、あなただけが責められる状態を防げます。
  • 周囲・環境: 勘違いは物によっては愛嬌で済むものです。しかし個人情報関連、経理関連の業務は思い込みでは済まない深刻な事態を生むことがあります。まずは勘違いしても良いような環境で働けることを目指しましょう。またメールやマニュアルなど、後で見返すことが出来る指示の受け方をするのもポイントです。口頭の指示だけだと抜け漏れが発生しやすくなるためです。

相談できる支援機関、医療・福祉施設は?

お薬やカウンセリングなどは医療機関を探しましょう。発達障害に理解のあるドクターを探すことは難しいかもしれませんが、発達障害者支援センターや行政の障害福祉課などで地域のクリニックを紹介してくれます。詳しくはつながりたい機関のページをご確認ください。

当事者会でのつながりも有効でしょう。当事者活動をされている方の中には、ミスや抜け漏れなど、共通の困り感への対策をいくつも持って社会に適応している方が数多くいらっしゃいます。すべてを実行する必要はありません。自分にあったものを取り入れましょう。

離職している際は、職業訓練やビジネススキル講座、キャリアカウンセリングが受けられる就労移行支援や障害者職業センターなどに通うことをお勧めします。医療機関のところ同じく、発達障害の特徴を理解してくれる支援者がいるところを見つけていきましょう。

【参考】職場での苦手を克服(コミュニケーション・ミス・抜け漏れ)を目指すプログラム

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