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セルフアドボカシー 障害のある人も働き方を選べる時代に「最新の発達障害支援を学ぶセミナー 2018秋」報告レポ―トイベント

 7月に開催しご好評をいただいた「最新の発達障害支援を学ぶセミナー 」。9月は「セルフアドボカシー」をテーマに開催しました。

ハッピーな自己開示は仕事のパフォーマンスを上げる

 最初のセミナーは訓練生による「自己認識の深まりの成果としてのセルフアドボカシー」で、訓練を経て自己理解が深まった今、はじめて自分では対策が立てられない部分の配慮を求めるカタチでの「自己開示=セルフ・アドボケイト」ができるようになった、という体験が語られました。

 ゲストスピーカーのIBMの梅田氏からは、同社の障害者採用や、世界的にもユニークな障がいのある大学生・第二新卒向けの長期有給インターンシップ”Access Blue Program”、企業の成長に貢献し、新たな障がい者雇用モデルの確立を目指す企業団体「企業アクセシビリティ・コンソーシアムリンク(通称 ACE)」などの取組についてご紹介いただきました。同氏はダイバーシティーの一環としてのLGBTの雇用についても触れ、「障害も性的指向もハッピーにカミングアウトできると、仕事のパフォーマンスが急に上がる例がある」と、セルフアドボカシーの力についての実感が披露されました。

増える一般枠採用。一般枠で障害オープンの事例も

 当社大野からはセルフアドボカシーがテーマとなった背景――今年からKaienの事業に就労定着支援が加わり、人手不足による好調な就職状況の中で「修了生の一年後定着率が95%に達するKaienは定着支援で何をして行くのか?」という疑問が浮かび、その答えとして浮上したのがセルフアドボカシーの考え方だったこと――が語られました。

 まず最近の訓練生の就職状況が以下の具体例をあげて説明されました。

  • 就労移行支援の利用期間の全国平均が18か月に対し、Kaienの利用期間は6-7か月で、最近の人手不足を反映し、さらに売手市場になりつつある
  • 6月に新たに開設した大阪営業所からも8月に既に3名の就職者が出ており、その3名がすべて一般枠採用である
  • 従来ほぼ9割がたが障害者枠採用だったが、今一般枠での就労事例が増加
  • 一般枠で障害オープンの事例も出てきている(現状では高いITスキルを持つか士業に限られる)

 人手不足を背景に発達障害者も働き方を選べるようになってきた今、「⾃分で障害や必要な配慮を伝える必要性が⾼まり、それに伴い自分の特性や強みを伝える力、交渉力の重要性も一層高まりを見せています。とは言うものの、必要かつ合理的な配慮を自分から要求する、ということはなかなかハードルが高い。『その能力をどう本人に身に着けてもらうか』を3年間のKaienによる定着支援の中心課題に位置付けたい」と大野は語りました。

定着支援の場でセルフアドボカシーの力を授ける

 続いてKaienの定着支援の内容が紹介されました。Kaienの定着支援の活動の柱はキャリアアップを念頭に置いたグループワークですが、定期面談に加え訓練生とスタッフ間のクローズドSNSであるかいえんぴあで参加者の動向を把握し、様子がおかしいと感じたら面談機会を設けるなど、定着を妨げる問題の早期発見にも力を入れており、その問題解決へのアプローチを以下のように説明しました。

  • 問題が見つかったら本人に問題の状況と気持ちを整理させ、その上でもう一度本人の意思を確認し、どういう解決手段があるか、配慮を会社側から期待しているか、自助努力で解決できそうか、できない部分を誰にどうサポートして欲しいか、などを一緒に考え、それを会社側に自分で伝えられるよう仕向ける。
  • 一方会社側には「ご本人からこういう報告を受けています」「ご本⼈から詳しい説明がありますから、場を設けてあげて下さい」と伝え、舞台を設定をする。

 また、3,6か⽉⽬の企業訪問の最も重要な目的は、トラブルが起きたときのための企業との信頼関係作りであることを明かし、支援における企業との信頼関係の重要性を強調しました。

 これからの障害者雇用や支援のカタチがかいま見られたセミナーは、「⾃⽴とは、⾃分のことを理解し、必要なときに誰かに助けを求められること。そのサポートをしたい。」という言葉で結ばれました。

【参考】就労定着支援ってどんなサービス?