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発達障害とコミュニケーション 上司は何を知りたいのか?発達障害の人の視点で議論してもらいました ~キスド会 2017年2月 開催報告~キスド会

 在職者向けのキスド会(土曜夕方に秋葉原と新宿で開催している、発達障害のある在職者向けのしゃべり場)での会話を皆さんの承諾をもとに記事にしています。今回のテーマは発達障害の人には鬼門になりやすい職場でのコミュニケーション、特に上司とのやりとりについてです。

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結論が先か、経緯が先か

Aさん: 上司とのやり取りで苦労しています。報告・相談するときに、私が最初に結果をいうと、「なんでですか?」と聞かれるので、経緯や全体像も説明するんです。でも、私が説明すればするほど、上司からの追加の質問も出てきて、すれ違いが多くなっていって収拾がつかなくなります。一方で相手が先入観を持つ前に経緯まで含めて全体像をいってその後に結論を言おうとすると、今度は私の伝えたかったこととは違う受け取り方を上司にされてしまうことがしばしば起こります。結論を先に言っても、後に言っても、結局うまくいかない。なので最近はうまい上司との円滑なコミュニケーションをほぼ諦めています。一体どうすれば良いのでしょうか?

Bさん: メールを使うのはどうですか?僕も口頭で喋りだけで伝えようとすると滅茶苦茶になるんですよ。結果だけ先に言って、後から経緯を言うと、自分が最初に言いたかったことと違うようになったり。なので先にメールで書いてから口頭で伝えるというのが良いと思います。

Aさん: いえ、私の口頭での表現はぶれていないと思うんです。向こうの受け取り方がぶれていくんです。こちら側は言っていることも一貫しているし、表現も整っているとは思うのですが、上司からすると結局今のは何の話なの?みたいな感じになっちゃうんです。

スタッフ: 例えば最近だったらどういうすれ違いが起こりましたか?

Aさん: 取引先が締め切りを守らなくて印刷工程が遅れそうな案件があったんですね。上司には結論をまず言うことを心がけていたので、①印刷工程が遅れることと、②いま調整に入っていますと、③締めは守れるので大丈夫です、という3つを伝えました。そうしたら、なんで、どうして、誰がそうやっているの、と次々質問されたので、「この人が、この提出が遅れたので、こうこうずれました、…」と言っていくと、結局、私は事実を言っているだけなんだけれども、上司はいつまでたっても納得してくれなくって…。

Bさん: 僕もそれよくあるんですよ。僕が何言っても理解してくれない人。社会人の年次が低い時は僕も自分のせいかと思ったんですけれども、そうじゃないと思うようになりました。今のAさんのお話もそうで、上司が理解がないというか、あまり仕事が出来ない人からではないですか?

Aさん: 私の場合はすれ違いがすべての上司と起こります。なのでその人の問題や相性の問題ではなくて、私と向こうの言語の違いみたいなのがあると思うのですね。私が今迷っているのは、果たして説明をしたほうが良いのか、しないほうが良いのか…。結局評価としては低くなるし、納得はしてくれないのだけれども、伝えようとすればするほどズレが大きくなっていって、私に対する負の感情も増えてくるんです。一方で、言わなければ言わないでおくと、推測で結論づけされちゃう…。どっちも良くはないのですけれども、職場では、どちらの方がより困らないかというのを知りたいという感じです。

上司は事実を知りたいわけではない!?

スタッフ: 議論を聞いていると、上司が事実を確認したいと思っているはず、とAさんが誤解しているのではないか?と思うのですが…。事実を確かめたくて質問してくる上司はあまりいないはずです。

Aさん: えっ!?

Cさん: だいたい細かいですよ。上司って…。

スタッフ: でも本当の意味で事実だけを知りたいわけではないでしょう。

Aさん: とはいえ、上司は事実を聞いてきませんか?

Bさん: 確かに事実を聞かれる時もありますが、これまでの自分の経験を考えると、優秀な上司ほど、事実を深く突っ込んだりとか、自分を陥れる質問をしてこないなぁと思いました。

Dさん: 上司って不安なだけなんですよね。だから私に任せてください、安心させてくださいというニュアンスを含めて言うと、安心した上司はいますね。

Aさん: かっこいい。

スタッフ: 皆さんのおっしゃるとおりと思いますね。上司はただ単に不安で、少しでも解消したいので質問を繰り返しているときもありますし、その本人を困らせたいと思ってムカついているからただ詰問している場合もある。

Aさん: 腹立たしい…。

Dさん: 上司の機嫌の良いときに報告に行かないと駄目なんだよ。そういうのは。

Aさん: 私が話し始めるとイライラし始めるから、あまり機嫌の良さとかは関係ない。

スタッフ: 一番はじめからイライラするということはあまりないと思います。上司とAさんのやり取りの歴史があるので、また来たかぁという感じでイライラするのだと思います。Kaienに来る発達障害のある人の場合、常人よりも遥かに言葉が巧みな人っているんですね。ただしそういう人たちは、やり取りのときのストライクゾーンが狭いんですよ。どうやら言葉の定義が狭いのですよね。きれいに定義をぶらさずにやり取りするのは上司としてはすごく疲れるんです。多くの人は言葉の定義や表現方法に幅がある状態でやり取りが齟齬なく出来るので。なので、Aさんに話しかけられたときに、「Aさんはすごく細かな言葉のコントロールをしないといけない。エネルギーを使うな。面倒だな。」というイライラが出てくるんじゃないかなと思いますね。

Aさん: 「大丈夫です」と言っているのに、更に聞いてくるということは、事実確認かなと思ったんです。

スタッフ: そういうときもあるかもしれません。でも、上司ですら「自分が何を知りたくてやり取りしているのか」というのをそんなに意識しながら喋っている人は少ないと思いますよ。

Aさん: 最低…。

Cさん: 確かに自分自身で考えても、なんか問題が起こったときに、不安が高まって、余計なことを色々聞いてしまう癖があります。自分も同じようなことは日々あるので、上司も同じなんだというのは、なんかわかります。

Dさん: あとは責任を回避したいんじゃないですか?

スタッフ: それもありますね。

Dさん: とにかく困ったことが起こると、下の人のせいにしたい。自分の責任を回避したい。先程の例で言うと、もし印刷工程が遅れちゃって、最終的には上司の自分の責任になるのが嫌なんじゃないでしょうか。それで下のせいにして押し付けて、質問攻めにしてということがあると思います。みんなが聞こえるように長々質問をすることで、俺のせいじゃないということを周りにアピールしている。

Aさん: えー!ひどい。なんて世の中汚れているんだ。

 

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