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ADDとADHDの違いは?注意欠如多動性障害でいわれるADDとADHDは同じ?違う?ADHD

 注意欠如多動性障害の人の割合は米国の調査では11%ともいわれ、非常に一般的な症状になってきました。それとともに、ADDとADHDの二つの言葉が頻繁に使われます。この両者はどちらも注意欠如多動性障害を指す同じ言葉なのでしょうか?考えるヒントになるのは注意欠如多動性障害には、注意欠如と、多動性の二つの特徴が入っていること。ここがADHDとADDの違いのポイントです。(※なお新しい診断基準ではADDは正式な診断名ではなくなりました。)

  1. まず注意欠如の字解きから
  2. 次に多動性の字解きです
  3. つまり多動性があるか無いか
  4. 実際にADDとADHDはどちらが多いの?
  5. 診断名は参考程度に

1. まず注意欠如の字解きから

 注意欠如というのは注意や関心を保つのが難しい人。あるいは注意関心が一つのものにはまりすぎるとそこから離れられなくなってしまう人です。例えば、朝の支度をするときにテレビ、食事、トイレ、化粧、などと段取り良くこなさないといけないのに、床のちょっとした汚れが気になって拭き掃除をしていたらいろいろ気になってしまい、いつの間に時間が経って会社に遅刻してしまうことが多いような状態です。あるいは、提出する資料に自分の名前を書かないといけないという注意を受けながら、実際に記入するときには他のことを考えてしまって名無しのまま抜け漏れた資料を提出してしまうことが多いことなどが具体例としてあげられます。注意欠如は、英語では Attention Deficit(注意 欠けている)となります。

注意関心の切り替えができずゲームやネット、スマホに中毒的にはまってしまう注意欠如多動性障害の人もいます。

注意関心の切り替えができずゲームやネット、スマホに中毒的にはまってしまう注意欠如多動性障害の人もいます。

2. 次に多動性の字解きです

 多動性については先に英語訳を考えましょう。多動性は英語では Hyperactivity 。ハイパーアクティビティと読むと分かるように、すごく動いちゃう、という意味となります。そうです。発達障害のあるお子さんはじっとしていられない、椅子に座っていられない、衝動的に動いてしまう、というようなことがあり、そのような状態のことを多動性と呼びます。

 注意欠如に比べると周囲の人が気づきやすく、このため子どもの時に診断された人はこの多動性を指摘されることが多くなります。例えば興味のあるものしか見えず、車道に飛び出してしまったり、授業中に座っていることができなかったりなどです。一方で年齢とともにある程度多動性は収まる人が多く、大人では顕著な例はあまり見られない特徴になります。ですので、大人の注意欠如多動性障害というのは、そもそも多動が認められない状態の事のほうが一般的ともいえます。

 ただし大人になっても、ずっと座っていると体がムズムズする人や、手や指を動かしていないと落ち着かないなど、周囲からは「多動性」としては分かりづらいものの、「落ち着きの無さ」という印象を持たれる人はいるでしょう。

3. つまり多動性があるか無いか

 ここまで読んでお気づきになられた方も多いかもしれませんが、ADDとADHDの違いは多動性が認められるか認められないか、の違いです。

  • ADD (Attention Deficit Disorder=注意欠如障害)
  • ADHD (Attention Deficit Hyperactivity Disorder=注意欠如多動性障害)

 最後に共通してついているDは Disorder(障害)のDとなります。またADHDを表記する場合、AD/HDとDとHの間にスラッシュを付ける人もいますが、これは、注意欠如(AD)の部分と多動性(H)の部分を分けるためです。ADとHのDisorderという意味とお考えください。

多動の人はじっとしているのが苦手。

多動の人はじっとしているのが苦手。

4. 実際にADDとADHDはどちらが多いの?

ADDとADHD。当社を利用する人たちの診断名を考えるとADHDのほうが圧倒的に多いでしょう。ただしだからといって多動性が認められる人ばかりというわけではありません。ADHDのほうが診断名が多いのはいくつか理由があります。主なところを上げていきましょう。

ADHDのほうが一般的

医師がADDという診断を出すケースが稀なのは、ADHDのほうが包括的(意味が広く)、一般的に使われているからでしょう。わざわざ多動が見られないことを証明することが難しいので、ADDという診断名を付けないということだと考えられます。とはいえ、大人の場合は、周囲がびっくりするような落ち着きの無さ(急に道に飛び出す、10分間も椅子に座っていられず歩き回る等)は無いことが通常です。実際上はADDで、強い多動は認められないケースが多いでしょう。

注意欠如もとらえ方によっては頭の多動

一方で、注意欠如(AD)の部分も多動性(H)で説明できるので、ADHDという診断にするということも考えられます。注意欠如は別の視点で考えてみると「頭・脳内の多動」だからです。体に多動が出ると目立ち、多動性障害といわれるかもしれませんが、周囲からはすぐにわからなくても、ミスが多い、いろいろなことが気になる、という注意欠如の状態は、脳が上手に集中を保てておらず暴走してしまっている多動な状態とも考えられます。ですので、厳格に注意欠如(AD)の部分と多動性(H)の部分を区分けしづらいので、ADHDと言われることが多いと当社では考えています。また上述の通り、体がムズムズするや手や指などを動かしていないと落ち着かないなどの、落ち着きの無さという意味で体の多動が残る人もいるでしょう。

適職を探すというよりも、あっていない職種を理解するというアプローチのほうが現実的です。

女性はより多動性が少ない、つまりADDに当てはまるケースが多いのは確かです。

5. 診断名は参考程度に

ここまでADDとADHDの違いをまとめてきたものの、ADDとADHDの診断の違いは参考程度に考えてください。医者によってそもそも注意欠如多動性障害の定義・診断基準は異なるのが実際ですし、ADDやADHDがピュアに見られるケースは少なく、他にもLD(学習障害)やASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)が重なっている場合が一般的と言えるからです。

つまり診断名は自分の特徴を考える上での一助程度に頭の片隅に止めておくことが良いでしょう。必要なのは自分の状態を診断名にとらわれずに理解することと、その対策をすることです。