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広汎性発達障害と自閉症スペクトラム(ASD)はどう違う?就活で診断名を伝える時に気を付けることは?ASD・アスペルガー

 発達障害の診断名が「広汎性発達障害(PDD)」という人はたくさんいます。一方で最近では「自閉症スペクトラム(ASD)」と診断されている人も増えてきました。「いろいろな診断名があって分かりづらい」「自分は広汎性発達障害と診断されているけど、自閉症スペクトラムとは何か違うの?」など疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。おおむね同じことを指すと言われる広汎性発達障害と自閉症スペクトラム。この記事で両者にどんな違いがあるかまとめます。また就活で診断名を聞かれたときの答え方のコツについてもお伝えします。

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診断基準の改訂で「広汎性発達障害」→「自閉症スペクトラム障害」に

 日本で発達障害の診断基準として使われているのは、世界保健機構(WHO)が公表している「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」と、アメリカ精神医学会が公表している「精神障害の診断・統計マニュアル(DSM)」の2つです。

 1990年代に公表されたICD-10DSM-4では、広汎性発達障害という大きなグループの中に、いわゆる自閉症アスペルガー症候群、また特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)などが含まれているとされていました。しかし2013年に公表されたDSM-5では細かい分類をなくし、自閉症スペクトラムという大きな1つのくくりにまとめました。虹の色が連続して変わるように、特性の出方が人によって強く出たり弱く出たりしていると見なすことになったのです。

 つまり広汎性発達障害は一世代前の、自閉症スペクトラムは最新の診断名です。このため、2つの診断名は現在では混在していて、当社の利用者でも広汎性発達障害と診断されている方もいれば、自閉症スペクトラムと診断されている方もいらっしゃる状況です。

診断軸は3つ→2つにまとめられ、ADHDとの併存診断が可能に

 広汎性発達障害から自閉症スペクトラムに診断名が変わったことで、診断の要件も変わりました。DSM-4ではいわゆる三つ組みの障害と呼ばれる①社会性の障害②コミュニケーションの障害③こだわりの3つの特性が揃っているかどうかで診断名を決めていましたが、DSM-5では①と②が統合され、Ⓐ社会的コミュニケーションの障害とⒷこだわりの2つの診断軸に変更されています。1つの症状がコミュニケーションの難しさから起こっているのか、社会性が身についていないからなのかは判断がしづらいことも理由にあるようです。

 他にも、DSM-5からこだわりの中に感覚過敏や鈍麻が含まれるようになったり、これまでは広汎性発達障害とADHDの両方が疑われる場合は広汎性発達障害を優先して診断していたのが、自閉症スペクトラムとADHDは併存していると診断できるようになるなどの変更がありました。

就活に診断名は影響なし、自分の特性を分かりやすく説明できるように

 診断名が広汎性発達障害か自閉症スペクトラムかどちらなのかということは、就活では特に影響はありません。障害者枠の応募書類や面接では診断名の他に、特性のために職場でどのようなことが起きやすいかを分かりやすく応募する企業の担当者に伝える必要があります。同じ診断名でも人によって特性は様々なため、例えば「報告・連絡・相談をする時に、相手が忙しそうに働いていると話しかけていいのかどうか分かりづらく、そのためタイミングが遅くなってしまいやすい」というように、具体的に説明する必要があります。「自閉症スペクトラムとは社会的コミュニケーションの難しさとこだわりという2つの特徴があって…」と一般論だけを伝えるのはNGです。

 一般枠の就活では基本的に障害のことは企業にはお伝えせずにクローズで就労をしますので、診断名や特性を企業にお伝えすることはありませんが、自分の特性をよく知ることでどんな工夫をすれば望ましくない状況を防げるか対策を立てやすくなります。自分で自分が起こしてしまいやすい行動を客観的に理解するのは意外に難しいものですが、職業訓練やキャリアカウンセリングなどを利用しながらあせらず進めてみてください。

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