チャットボットを使った支援ツール開発 始まる
2020年11月号1. チャットボットを使った支援ツール開発 始まる
文科省系の法人である国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)。Kaienでは、筑波大学に研究に協働させていただく形で、JSTの「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム」令和2年度における新規プロジェクトに参画することになりました。
筑波大学が研究中の発達障害等の多様な脳特性を持つ方々へのチャットボットの開発に現場での活用法やサービスへの応用に向けた取り組みでこれまでの支援のノウハウを持ち寄る予定です。
(参考)社会技術研究開発センター(RISTEX)の「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム」令和2年度における新規プロジェクトに選定
社会技術研究開発センター(RISTEX)の「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム」令和2年度における新規プロジェクトに選定
また当社では当社の専門性を様々な刊行物に論文として寄稿する活動も行っています。最近では、発達障害支援・特別支援教育向けの冊子に大人の発達障害の就職支援について一つの章の執筆を担当しました。こちらもぜひご確認ください。
(参考)大人の発達障害の理解と支援 ~ハンディシリーズ 発達障害支援・特別支援教育ナビ~ 金子書房
2. YouTubeチャンネルからピックアップ 当事者と作る自立訓練(生活訓練)
KaienのYouTubeチャンネルから厳選動画をピックアップ。ウェブサイトでご確認いただけます。
Kaien特別セミナー「当事者と作る Kaienの自立訓練(生活訓練)」~中退・卒業者への効果的な支援とみえてきた課題~
大阪・立川・大宮・横浜・津田沼で立ち上げ準備中(2020年10月31日)
3. イベント情報 親の会 あすの姿を考える
無料配信のイベントを複数開催。ウェブ開催「お勧め!今月の無料イベント」でご確認いただけます。
11/15(日) 16:30 Zoom
「発達障害 親の会 ”あすの姿”を考える」
ゲスト:東京都自閉症協会 理事長 今井忠、親の会ビリーブ 主宰 かまくら、あつまれ!発達凸凹ちゃん 主宰 りょう育ママ
12/10(木) 14:00 Zoom
「才能ドラフト会議(利用者による成果発表会)」
登壇:就労移行の利用者(就活生)
12/26(土) 19:00 Zoom
「Kaien大忘年会2020」
ゲスト:借金玉さん
4. 今月のQ&A
発達障害の人の年収は?
Q1. 給料の平均値,中央値について知りたいです。今現在一般職として働いていますが,やはり苦しく転職しようか検討中です。先輩方はどの位なのでしょうか…?
A. Kaienでは毎年12月に「就業実態調査」を行っています。今年もその季節が近づいてきました。昨年は給与水準について、深く調査を行いました。その結果は下記のリンクでご覧いただけます。年収は240万円ほど。余裕は少ないものの、大都市でも一人暮らしはしていける額ではあります。
具体的には一般枠と障害者枠でそれほど大きな差はありませんでした。特に同一労働同一賃金の原則から、同じような仕事をしている場合に雇用枠によって差が少なくなるのは今後も続くと思われます。
参考:2019年版 発達障害 就業実態調査から② 給与水準を性別・年齢別・職種別で考察する
グレーゾーンでのオープンチャレンジ就労
Q2. グレーゾーン向けのオープンチャレンジ就労について支援内容を伺いたいです。
A. オープンチャレンジは当社での定義は「一般枠だけれども障害をオープンにして働く」ことです。オープンチャレンジ就労に向けた支援は全サービスで行っています。
まず就労移行や生活訓練を利用するためには何らかの診断が必要になります。何らかの診断があれば、いわゆる発達障害のグレーゾーンの方でも当社の障害福祉サービスをご利用いただけます。一方で診断がどうしても得られない場合は、大学生でしたらガクプロ、在職者でしたらキスド会(支援者付きの当事者会)やマイナーリーグ(一部ですが一般雇用向けの求人有)で当社サービスをご利用いただくことになります。
参考: 就労移行支援・生活訓練
いつから障害者雇用の就活が出来る?
Q3. 現在の職場で発達障害を告白したものの、そんなの関係なく仕事を全うするよう求められました。つまり、事実上理解を得られなかったので、発達障害に対する理解のある職場への転職をしたいと思っています。なお、現状はADHDと自閉症スペクトラムの診断書は出たものの、手帳の申請がまだなので(初診から日が浅くて申請がまだ出来ない)、診断書あり手帳無しでの転職活動をしようと考えています。そのような転職活動は可能なのか、教えてほしいです。
A. 障害者雇用の就活は、いつからでも始めることができます。しかし実際に企業に応募するのは、障害者手帳を申請してからとなります。つまり手帳が手元になくても申請したことが示せれば、ハローワークでも通常の企業に直接応募するときも受け入れてくれると思います。
一般雇用と障害者雇用 どっちが良いの?
Q4. 一般雇用が良いのか、障碍者雇用が良いのか正直迷っていますが、通所を続けていく中で決めることはできるのでしょうか。
A. もちろんです。当社を利用される半分以上の方は、利用前に一般雇用と障害者雇用の希望が明確ではありません。つまり、当社での活動を通じて、これまでの経験を振り返り、また実際に職場体験をする中で、絞り込んでいくことになります。特に障害者雇用は特殊なルールもありますので、支援機関に入らないとわからないことも多いでしょう。迷うのが当然だと思いますので、ぜひ支援者に悩みを相談してみてください。
療養中 家族はどうすれば?
Q5. 現在はうつ病の治療中です。過去(未就学時)に軽度の発達障害の疑いがあったのですが大学1年まで普通学級で過ごしました。大学を辞めてしばらく自宅療養し専門学校に通学をしているのですが、気分の落ち込み不安が増し、学校に行かない日が増えてます。現在発達障害の診断は受けていませんが、家族がどのように接して良いか悩んでいます。よろしくお願いします。
A. 家族は支援者ではありませんので、家族としての役割である安心・安全を与えるというところに専念されることが良いとおもいます。特にご家族が不安がったり、焦ったりすると、その思いが言動になり、ご本人に伝わって、諸々にネガティブに働いてしまうでしょう。先回りして情報を入手したり、提案したりはしたほうが良いと思いますが、まずはご家族が健康に過ごすことをお勧めします。ご家族の悩みには拙著が役に立つかもしれません。
参考: 知ってラクになる!発達障害の悩みにこたえる本(大和書房)
家族・親族の結婚に響く?
Q6. 本人の兄弟が近々結婚するのですが、診断結果によって、結婚が破棄になるのではと、本人の母親が心配しているのですが、どのように説明したらいいでしょう。私からみると本人は度重なる離職でかなり精神的にもまいっており、Kaienさんのサービスを必要としています。
A. 専門医でも人口の10%ほどは発達障害ではという時代です。むしろ発達障害の可能性がない家族と結ばれるということ自体が現実不可能だと思います。とはいえ、そう理性ばかりで物事を考えられないと思います。少なくとも私の知る範囲では、結婚が破棄になったというのは聞いたことがないですし、むしろ支援を受けてしっかりと人生を踏み出す方が、診断を受けずに離職を繰り返すよりも、よほど「世間体」というものは良くなるのではないかと考えます。
5. Kaien社長ブログ
この1ヵ月は社長ブログを多数更新しました。ご関心のある文章をぜひお読みください。
https://www.kaien-lab.com/category/staffblog/
どちらが良い?自立訓練(生活訓練)と就労移行支援
増えるADHD 減るアスペルガー
コロナ時代の就労移行 内定者数は落ち込んだのか?
内定者数は落ち込んでいるか? コロナ時代の就活 発達・グレーゾーンの学生編